暦と占星術

清明と金星│牡羊座15度は挑戦と調和のクロスロード

mugimaru

清明は春分の次に位置する二十四節気で、2025年は4月4日~4月19日に訪れます。

清明の「清」は自然界の清らかさを表し、「明」は春の日差しが明るく降り注いでいることを意味しています。

これは「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」という言葉を略したもので、明るく清らかで活気がある、爽やかな様子を表しているのですね。

草木が生き生きとし、生命の躍動が始まる時期を象徴しており、農耕においては畑の耕作や種まきが始まるなど、自然界と営む人間生活の重要な時期となります。

では西洋占星術と二十四節気の「清明」について、考察してみましょう。

春分の扉の先の世界「清明」の占星術考察

清明は太陽が黄経15度に達した瞬間からの15日間の節季です。

黄経15度は、西洋占星術の数え度数では牡羊座16度であり、ここから牡羊座30度までが二十四節気の清明に相当します。

ひとつ前の節季である春分は黄経0度であり、西洋占星術での基点となる新サイクルの扉、12星座の始まりの節季でした。

サイン牡羊は火の活動宮として、新たな歩み、挑戦、そして自己主張や自我を認める性質を持っています。

ゼロポイントから始まった純粋なエネルギーは、清明のころに成熟し、植物が太陽に向かって伸びていくように方向性を定め、内面の変化を外界に向けていく段階です。

牡羊座15度という地点からの考察

各サインの15度はその星座の性質が最も強まるという考え方が、昔のアラビアの占星術にはあったそうです。

清明は、黄道12宮の最初の標識である牡羊座の真ん中に位置しているので、新たな始まりのエネルギーが見極められた地点と言えます。

支配星である火星の惑星記号(♂)は○と↑がくっついた形ですが、この矢印はエネルギーの方向性が定まったこと、内に秘めたエネルギーが狙いを定め、真っすぐ勢いよく放出されることを表しています。

ひとつ前の魚座の柔軟な適応性・境界線の無い湿潤性と比較して、サイン牡羊は、いち方向に向けて直接的で強く、スピード感のある性質を持っているのですね。

清明の時期においては、自然界で植物の成長速度が増し、個人の意識もまた挑戦や目標にむけて具体的な方向性を伴った行動へと、切り替わるタイミングのように感じられます。

デトリメントの金星と数秘「6」からの考察

金星の品位から考えてみましょう。

牡羊座の支配星である火星は、能動的であり時に攻撃的なエネルギーを象徴する、ホット&ドライの性質をもつ惑星です。

一方、金星はコールド&モイストの惑星であり、受け取る愛・楽しみ事・調和・美を司る惑星ですが、サイン牡羊においてはデトリメント(障害の品位)となります。

金星がデトリメントとなるのは、「陽の火星」である牡羊座の強く衝動的なエネルギーによって、金星の受動的な側面が抑制されるためです。

火星の支配する牡羊座では、その受け身な性質は火星の激しいエネルギーと相反し不調和となるので、金星にとって良さを発揮しにくいんですね。

また、清明の牡羊座15度は数秘術で「6」に対応し、6は金星の数字です。

金星の象意を与えられるご褒美」として捉えると、何かに挑戦した後に手に入るものという意味を見出すことができます。

植物の花や実が金星ならば、それを為す前には種子や内に秘めたエネルギーを外に出し、結実という目標へ向けて、太陽めがけて成長していくのは必須です。

人間社会でも、進級や進学、会社では新年度などの新しいサイクルに突入し「どこを目指すのか?」と目標を定めることが多いタイミングですね。

自然界も人間界も、新しい実りや収穫へ目標を定めて動き出すのが「清明」の頃であることから、わたしたち人間も自然の一部分であると感じられます。

清明(牡羊座15度)周辺のサビアンシンボル

牡羊座16~20度の範囲では、対向サインである天秤座の影響が流れ込むため、金星のエネルギーが複雑な形で現れます。

清明周辺のサビアンシンボルは以下の流れです。

牡羊座15度:毛布を編むインディアン(清明)

目標やゴールが定まり土台が固まる。夢を織り込みカタチにしていくプロジェクトの覚悟と情熱。上へ伸びていく植物なら根を張った土がしっかり固まってこそ大きく育つことが出来る。ぐんぐん成長していくとき。

牡羊座16度:日の入りに踊っている妖精ブラウニー

一休みやリラックスの度数。流れ込む天秤座の金星のエネルギーと拮抗し牡羊のエネルギッシュさが相殺される。夕暮れの太陽は活動を終え休息の時を知らせます。15度までに使ったエネルギーを補給するための小休止。

牡羊座17度:二人のしかめつらした独身女性

16度で流れ込んだ金星のエネルギーが強まる場所。受容性が能動性を超えてしまい、成長が止まってしまったように見えるが、内省や内向きのエネルギーが活発となっています。エネルギーを外向きに転換する、なにか突破力が欲しくなるところ。

牡羊座18度:空のハンモック

外側へと成長したり内へエネルギーを溜めたりを交互に繰り返すうちに、サイン牡羊らしい主体性や自我が回復していくところ。風の影響を淡々と、右に左に規則的に受け流している繰り返しを通じ、エネルギーが再生していきます。

牡羊座19度:魔法のじゅうたん

パーン!!!とエネルギが弾けるような、気分の盛り上がることをしたくなります。18度で復活した牡羊座の自我とエネルギーは突飛なアイディアを呼び起こし、自立と成長への景気付けをしようと試みます。

牡羊座20度:冬に鳥に餌をやる若い少女

寒い冬に餌を毎日あげ続けるのは、ある種の信念があるからでしょう。長期目線でコツコツと取り組んでいく芯の強さが牡羊座のなかで整います。古代文化で鳥は精神的なメッセンジャーであり、他者への思いやりが自立性につながることを示唆しているようです。

清明(太陽牡羊座15度)の頃の伝統や習わし

太陽が黄経15度にある清明の頃の、文化や伝承はこのようなものがあります。

沖縄のシーミー(清明祭)

沖縄の三大行事のひとつで、中国から伝わった先祖供養の行事です。お墓に「ウサンミ」と言われる重箱料理をお供えし、お墓の前の広場で家族で食事をするようです。

中国の清明節

先祖供養や墓参りを行い、冬の厳しさからの解放と春の再生を祝う行事です。

日本の春のお彼岸にあたります。

タイの「ソンクラーン(水かけ祭り)」

タイの旧正月で、太陽が牡羊座に入る新年のサイクルを祝う祭事です。水を掛け合って邪気を払うこの祭りは、新しい年の始まりを清める意味を持ちます。

現在では4月13日〜15日の3日間で行うものとされ、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

イランの「シズダベダール」

ペルシャ暦の新年(ノウルーズ)から13日目に行われる祭事です。

春を迎える喜びとして無邪気な嘘をついたりユーモアを楽しむ文化があり、エイプリルフールの起源のひとつと考えられています。

挑戦エネルギーを保つ鍵は金星

太陽が黄経15度に達した清明の15日間、この頃は天地が清々しく明るい空気に満ちると、古来より言われています。

この時期は、新社会人になるかたや多くの学校で入学や進級のタイミングと重なり、新しい環境や新たな目標にむけての挑戦が待っています。

家族や友人と集い未来への期待や目標共有し、励まし合うのも良いかもしれませんね。

この時期の過ごし方のポイントとしては、以下のポイントが挙げられます。

  • 目標の設定やスタート
  • 積極的な行動や挑戦
  • 人間関係を育む勇気
  • オンとオフのバランスを意識
  • 金星的な楽しみ事で気分転換
  • バランスの取れたライフスタイル

牡羊座と天秤座の両面のエネルギーが交差し、出会いと始まりが本格的に始動していきます。

スピード感をもって物事が進んでいき、心身ともに疲労が溜まりやすいので、リラックスする時間を意識的に確保しましょう。

金星は受動的な楽しみごとを表します。美しいものを見たり触れたり・甘い物・自分を甘やかす行動、なども金星のキーワードです。

十分な睡眠や適度な運動、バランスの取れた食事はもちろん、気分転換になるような趣味を楽しむなどして、エネルギー切れを起こさないようにしたいものですが、

がんばってる自分へご褒美スイーツで心の栄養、なんてのも時にはありだと思います。

まとめ

牡羊座15度にあたる「清明」は「清浄明潔」を略した言葉で、清らかで明るく活気に満ちた様子を表します。

春分で誕生した新しいエネルギーはこの時期に成熟し、サイン牡羊の支配星・火星の象徴する「エネルギーの方向性」が明確になり、植物は太陽めがけて伸びていきます。

人間社会でも、新しい挑戦や目標に向けた、具体的な行動が促されるタイミングです。

金星は牡羊座でデトリメント(障害の品位)となりますが、金星を「挑戦の末に得られるご褒美」であると捉えるなら

春の芽吹きとともに、能動と受動のバランスを取りながら目標に向かって進むことで、新たな実りへと繋がっていけるのかもしれません。

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