蠍座15度。生が枯れし冬の始点│二十四節気「立冬」

mugimaru

2025年11月7日、二十四節気の「立冬」を迎えます。

地球の公転の360度円を8等分した区切りの「二至二分四立」と呼ばれるうち、冬の始まりを表すのが「立冬」です。

二至二分(春分秋分夏至冬至)が、暦の上での季節の真ん中の最盛期を示すのに対して、季節の真ん中と真ん中の中間が四立であり、暦の上での季節の始まりとされています。

この「暦の上での季節」は現代の実際の気候とはズレがあったり、異常気象で季節らしさを見つけにくかったりしますが、

秋分・寒露・霜降と続いた秋の終わりに別れを告げる「立冬」は、自然界の変化が目に見えて分かりやすいかと思います。

木枯らしが落ち葉を巻き上げ、秋の土用が終わるタイミングとも重なり、多くの人が冬の到来を意識するタイミングです。

二十四節気「立冬」を迎える今、蠍座について考えてみましょう。

蠍座考察その①はこちら↓

蠍座15度「立冬」と数秘「9」が示す、火星エネルギーの転換

立冬は太陽が黄経225度に達してからの15日間、西洋占星術では蠍座の後半度数域に相当します。

黄経225度は蠍座15度です。

サインの15度は星座の質が最も極まる頂点であり、立冬は秋のピークであると同時に秋が減っていく転換点となります。

この転換点が黄経225度なのも面白くて、なぜならこの場所は数秘術で「9」に相当し「9」は火星のエネルギーに対応するからです。

「9」は新しいサイクルを見据えた完成や終わりを示し、火星のエネルギーは能動的な変化を表しているんですね。

陰の火星である蠍座では火星のエネルギーは内側に発揮されます。

たとえば、植物は枯れてしまっても、その生命力は種や土壌の内に圧縮されています。

冬眠する動物ならば、寒くなると活動的に動き回らなくなり、エネルギーを体内に温存します。外向きから内向きへ、火星のエネルギーの方向転換です。

この能動的なエネルギーの変化が極まるのが蠍座15度であり、すべて転換し終える冬至に向けて、秋は薄まりながらフェイドアウトしていくのです。

蠍座火星の”たたかい”は、何と戦うのか?

牡羊座の支配星の火星は陽の火星であり、蠍座支配星の火星は陰の火星です。

「陽の火星」「陰の火星」という呼び方は西洋占星術の正式な言葉ではありません。筆者むぎまるの解りやすさから便宜上そう表現しているだけです。しっくりこないかたは牡羊座は男性星座・蠍座は女性星座と置き換えて読み進めてください。

牡羊座火星は、自分の(存在の)正当性をかけた戦いあり、火エレメントらしい情熱と直接的な自己主張も含みます。

牡羊座の”戦い”は、オポジション天秤座の、明確な敵やライバルの存在があり、勝ち負けやゴールも明確な類のものです。

対して蠍座火星は、自分自身の生き残りをかけた闘いです。

水エレメントの蠍座は、水分は内側へ染み込んで湿り気は粘り強さを生みますが、表向きは落ち着きと静けさを伴っています。

上の章に記したように、種の存続のため植物は生命力を種子や土壌の内側へ圧縮しますし、野生動物は冬を生きて越すために冬眠し、エネルギーを温存します。

生き残りをかけた、静かなエネルギー転換です。

蠍座の”闘い”は、オポジションの牡牛座「生ありきで享受できるもの」に対し、蠍座「それが枯渇する状況」であり、

牡羊座の”戦い”のような特定の相手があるわけではなく、ただただ不利で厳しい状況を打破するための努力や、目に見えない内面での”闘い”なのです。

蠍座。フォールの月が示す冬の到来

蠍座は不動宮の水エレメントですが、支配星は火星です。

  • 蠍座(コールド&モイスト)
  • 火星(ホット&ドライ)

熱冷乾湿が不調和だと、難しさや葛藤が多いと考えられます。

牡牛座でイグザルトする月ですが、蠍座にあるとフォール(減衰)です。

  • 月(コールド&モイスト)
    ココロ・感情・育成・肉体

冬至が近づき自然界は休眠状態へ向かっていく蠍座シーズン、日照時間が減り気温は下がり地上の生命力は衰えていきます。

地上に生命を育み拡大していく牡牛座の時と、反対のエネルギーを持つのが蠍座の季節です。

惑星の質で考えれば、火星の攻撃性が月の持つ養い育てるチカラを阻害してしまうのです。

心理面では、水エレメントである蠍座に月が在ると、ウェット感が増して重くなり深く沈んでしまい、感情の深刻さが出てくると読めます。

  • 蠍座(コールド&モイスト)
  • 月(コールド&モイスト)

感情は適量なら情緒的で優しさを伴う良い意味に捉えられますが、過剰では重く苦しく深刻さが出てきてしまいます。

月の持つ感受性が蠍座の水に刺激され、過剰になり極端かつ深すぎてしまうと、時に嫉妬や疑念など暗い感情に発展してしまう時もあります。

水は流れていないと澱んでしまいますよね。

蠍座の月では不動の水が深くまで染み込み、感情や結びつきを深めるものの、行き過ぎると精神的に情緒不安定になりやすくなります。

この配置の時は火と水が交錯し、直接的な衝突よりも深い部分での絆や心の闘いがテーマとなる傾向があります。

まとめ

二十四節気「立冬」は暦の上で冬が始まる始点であり、占星術的には蠍座15度にあたります。

この場所は数秘「9」に相当し火星のエネルギーを帯びていて、蠍座支配星も火星であることから、新しいサイクルに向けての終わりが顕著になるころです。

蠍座15度は秋の不動宮の中心であり、ここから冬至に向けて、秋は段階的にフェードアウトしていきます。

立冬は、秋のピークであると同時に、冬が始まるのです。

そして蠍座では月がフォールです。

木枯らし吹きすさぶ立冬の頃は、身体と心の両方を大切にしつつ、新たな季節に向けてじっくり準備を進めていきましょう

ABOUT ME
mugimaru
mugimaru
error: Content is protected !!
記事URLをコピーしました