太陽と山羊座と土星が示す冬至:闇から生まれる光の構造

こんにちはー
昨日は冬至でしたね。
冬至といえばゆずとカボチャですが、今回は冬至と土星と太陽について、ブログを書きながら知識の整理です。
文章に起こすと思考の整理ができる、視覚優位な脳ミソを持っていることもあり、占星術ブログを作らなきゃならん状況が来てしまったため、こうしてブログにまとめてます。
西洋占星術における冬至
冬至は二十四節気の二至二分のうち、陰の気が達し陽の気が再び動き始める象徴的な転換日です。
この日は寒さのピークというよりも、自然のサイクルにおける「再生の始まり」を意味するときだと日本だけでなく世界の神話や伝承で言われておりますよね。
体感的な冬の厳しさはこれから本格化しますが、暦の上では「冬が満ちた」 と解釈されるわけで。
西洋占星術においては、冬至は太陽が山羊座に入る瞬間のことをいい、その瞬間の天体配置図を冬至図として出したりします。
山羊座は、土の要素に属し、社会的なポジション・責任感・忍耐・成熟・安定・物質的な基盤を意味するサインです。(雑にまとめてスイマセン)
そして、冬至は太陽の南中高度が1年で最も低いため、最も夜が長くて最も昼が短い日。
この日を境に太陽の高度が再び上昇し始めるため、「新しいサイクルの始まり」としての意味が強調されます。
この暗闇の時期は内省し自分自身と向き合うのに適した時期であり、「太陽の再生」「光の復活」を象徴する重要なターニングポイントです。
つまり、(春分とはまた違う意味で)新しいサイクルの始まりであるので、目標に向かって努力を始める、準備期間に適したタイミングと言えます。
つまり、冬至は闇が最も深い地点でありながら、同時に新しい光のサイクルの始まりでもあるのです。
山羊座の現実的・堅実なエネルギーは、厳しい冬を超えて春を迎えるための「耐忍」や「準備」 を問うということです。
太陽と土星の古典的な関係
トランスサタニアンを扱わない古典占星術において、土星は「最も遠い惑星=太陽系の限界=時間と死の象徴」であり、コールド&ドライ、冷たく乾いている性質を持つとされる惑星です。
土星のキーワードは
- 限界、枯渇、抑圧、制限
- 時間、忍耐、老化、厳しさ
- 闇、冷気、死の予感
を象徴する一方、太陽は「光」「熱」「生命力」「栄光」の象徴的であり、獅子座の支配星。
冬至の瞬間、太陽が山羊座0度に入るということは、太陽が土星の支配する領域に到達したことを意味します。
そこは太陽が死ぬ場所であり、同時に再生する場所。
土星は山羊座と水瓶座を管理していて、
- 山羊座と獅子座はアバージョン
- 水瓶座と獅子座はオポジション
となります。
アバージョンは相手のことが見えていない間柄。オポジションは緊張や対立。
つまり太陽が土星の支配下に入ってしまうため、真冬に太陽の力は最も弱く光の力が極限まで弱くなる。
土星の象意である、冷たくて乾いた闇の支配が極まるタイミングです。つか闇の支配って表現の厨二感よw
この土星の「冷たさ」や「限界」という性質が、この時期の自然界の寒さや枯れた静けさと強くリンクしているのが面白いと思います。
冬至:山羊座0度:光の再生と土台の形成
山羊座は「物質的な現実」と「社会的構造」を司るサインです。冬至を迎えた太陽がここに入ることは、自然界もふくめて次のように言い表すことができます。
極限の闇から再生への始まり
土星の冷たく厳しい性質は、無駄を削り落とし、物事を「形」にするための「現実的な制限」や「時間の試練」として働きます。
つまり、冬至のタイミングは、生命力が一度限界まで縮こまり、そこから新たな構造や世界を築く春に向けての準備段階、なのです。
冬至を過ぎて日照時間が少しずつ増えていくことは、暗くて寒さ厳しい試練から光(太陽)が再生されていくプロセスと重なります。
土星の「制限」は、新しい芽吹きの「土台づくり」の為であるとも言えます。
闇が最も深いこの瞬間は、土星が強く働くことによって、新しい光(太陽)が生まれる「器」を用意しているのです。
冬至にまつわる神話や伝承
古来より人々に特別な日と捉えられていた冬至。太陽の復活を祝い、世界各地で様々な神話や儀式と結びついてきました。
これらの物語や行事は、人々が自然のサイクルを敬い、生命の再生を願ってきたことを物語っていますよね。
冬至にまつわる神話や風習に触れることで、自然とのつながりを感じ、新たな一年への希望を育むことができそうな気がしてきます。
個人的な備忘録も兼ね、いくつかまとめてみました。
ミトラ教(ミトラス教)
ペルシア神話に登場するミトラスは、光と真理の太陽神です。ミトラスは冬至の日に岩から生まれ、闇を打ち破り、新しい時代をもたらしました。ミトラ教はローマ帝国で広く信仰され、キリスト教の誕生にも影響を与えたと言われています。ミトラ教では12月25日に太陽神ミトラスの誕生を祝う冬至祭が行われたため、クリスマスの起源のひとつと考えられています。
エジプト神話:ホルスの復活
冬至は太陽神ホルスが復活する日とされていました。セトによって父オシリスを殺されたホルスは、親の仇として復讐を果たし、エジプトを再び平和に導きます。ホルスの誕生は、死と再生を繰り返す自然のサイクルを象徴し、冬至の後に再び太陽が力を取り戻すことを表しているそうです。
北欧神話:ユール
北欧神話では、冬至の祭りを「ユール」と呼びます。ユールは、冬の厳しい寒さを乗り越え、再び太陽が昇ってくることを祝う祭りです。人々は大きな焚き火を焚き、神々に感謝し、豊穣を祈りました。
ギリシャ神話:ペルセフォネ
デメテルの娘ペルセフォネが冥界の神ハデスにさらわれ、地上の世界は冬に包まれます。しかし、ペルセフォネは一年間の三分の一を冥界で過ごすことになり、春には地上に戻ってくることになります。これは自然のサイクルと死と再生の関係を表しています。
日本:ゆず湯
日本では冬至にゆず湯に入る風習がありますね。ゆずの香りが邪気を払い、風邪を予防すると言われています。
我が家は昔ゆずの木があったため、冬至=柚子湯の印象が強いです。今は柚子の木はありませんので、気が向けばスーパーで購入したり、知人友人から頂いたりしたら入れます^^
まとめ
冬至は土星の闇と再生の力が強まるポイントです。
死と再生のキーワードは、現代モダン占星術では冥王星が司りますが、古典占星術では土星の象意に含まれますので、
土星の「コールド&ドライな性質」と「冬至の闇・陰の極まり・死と再生」は、非常に密接に関連があります。
- 冬至:太陽の南中高度が最も低いため夜が最も長い(闇の限界)
- 山羊座:土星の支配下「土台」「準備」を整える
- 再生:闇を受け入れ、新たな光が蘇る準備
太陽が山羊座0度に入り、夜が最も長くなるというのは、土星の象徴する「限界」「試練」「闇」が極まる瞬間であり、そこから新しい光が芽生え始めるプロセスです。
闇の深さは土星の冷たく乾いた試練であり、同時に生命や光が「現実の器」に取り組むための必要な時間と考えられます。
この時期に土星のエネルギーを受け入れ、自己を見つめ準備を整えることが、次の太陽サイクルの再生への、重要なステップになるでしょう。
太陽が滅し光が再生していく、陰が極まり陽に転ずるという、光の復活を祝う神話や伝承が世界各地にありますように、
冬至のような節目は、自然のリズムや宇宙のサイクルと自分の内面を照らし合わせる絶好の機会だなぁと思いますね。
土の星のエネルギーを受け止め、時間を味方につけながら新たな光を向いていきましょう。